2017年1月18日水曜日

あわや!


おいらと父ちゃんは毎早朝散歩に行く。
父ちゃんは自転車で走るんだ。

ほら、おいらの父ちゃん、もういい年だろ?
自分の足でおいらが満足する距離を走ると
それだけで父ちゃんの1日は終わっちまう。
だから、自転車でおいらと5km走るんだ。

いつもの通り走り終えて家に着いたんだ。
父ちゃんはおいらのリーシュを外して庭に放してくれたんだけど
その日はゴミ収集日でさ、ゴミ箱を敷地の外に出すために門を開けたんだ。
おいらは優秀で忠実なGSだからさ
門が開いたって勝手に外に出たりしないんだ。
いつもならね。

おいらの家は交通量が多い幹線道路からちょっとだけ中に入ったところにある。
うちの前は滅多に車が通らないんだけど
うちから10mも行くと、どんな動物も瞬殺のハイウェイなんだ。

父ちゃんが重たいゴミ箱をよっこらしょと運ぶのを手伝おうとしたところで

シュッ・・・

何かがおいらの目の端をかすめて行った。

ニホンノウサギ

あの大きな道路の向こうに野ウサギがいる!
おいらの本能スイッチオン!
一目散にハイウェイを横切ろうとしたんだ。
父ちゃんのおっかない声を覚えてる。
でも本能の声の方が大きかった。

キキキキキーーーーッ!

うるせーな!
大きな音出すんじゃねーよ!
ウサギが逃げちゃうじゃんか!
睨みつけた相手は大きな車。
あら、おいらこれで終わりじゃん・・・
と思った瞬間、おいらの首輪がガシッと吊り上げられた。
父ちゃんだった。
おいら、おしっこ漏れちゃった。

父ちゃんが車の運転手に一生懸命頭を下げた。
何度も何度も頭を下げた。

「ごめんなさい フリー」の画像検索結果



父ちゃんの話では、おいらは本当に死ぬところだったらしい。
おいらは運が良かったんだ。
いくつもの偶然が重なって事なきを得た。

偶然その1は、早朝だったこと。
まだ通勤ラッシュの前で、車間距離を大きく取って走ってる時間帯。
女性の運転手さんは何とかおいらの前で止まってくれた。
本当にごめんなさい。
そして、ありがとうございました。

偶然その2は、明るい朝だったこと。
この時期のバンクーバーは夜が明けるのが遅い。
まだ暗かったり、霧が濃いこともある。
暗いところでは、真っ黒なおいらは人には見えない。

偶然その3。
この日は1月8日。
おいらの前に父ちゃんと母ちゃんの子だった犬の命日。
見えない力がおいらを助けてくれたのかもしれない。

おいらは父ちゃんにこってり叱られた。
父ちゃんは母ちゃんにこってり叱られた。

ま、気にすんな、父ちゃん。




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